2017-01-01から1年間の記事一覧
第23回で、確認の利益の説明をしましたが、「確認対象の適否」の「過去の」の意味について付言しておきます。 たとえば、次回の記事でメインテーマにする「遺言無効確認の訴え」について考えてみましょう。 結論を先取りしてしまいますが、遺言者の死亡後…
第1 導入 第2 「権利保護の資格」と「権利保護の利益」 第3 「権利保護の資格」と「権利保護の利益」の区別と「確認の利益」 1 「確認の利益」の3つの判断基準 2 「権利保護の資格」と「権利保護の利益」の区別と「確認の利益」の関係性 3 「確認の利…
第1 導入 第2 「実質説」と「形式説」の確認 1 設例の確認 2 実質説と形式説 第3 「実質説」と「形式説」のどちらが妥当か 1 形式説の弊害 2 実質説の「既判力の拡張」の捉え方(実質説の正当性を基礎づける実質的理由) 3 115条2項の解釈(実質説…
第1 はじめに 第2 「附帯控訴」の意義及びその趣旨 1 意義 2 趣旨 第3 附帯控訴による請求の拡張 第4 「控訴不可分の原則」と附帯控訴 第5 まとめ 第1 はじめに 二回試験が無事に(?)終わり、1ヶ月弱のモラトリアムが戻ってきました。 無事に合格…
第1 導入 第2 「既判力の縮減」とは 1 「既判力の縮減」と「既判力の遮断効が及ばない事由」の議論の相違 2 「既判力の縮減」が問題になる場面 第3 「既判力の縮減」が問題となった判例 1 最判平9.3.14の事案 2 最判平9.3.14の判断内容 3 最判平9.3.…
第1 導入 第2 「法的観点指摘義務」とは 第3 「法的観点指摘義務」と「弁論主義」の関係 第4 法的観点指摘義務から「法令違反」を導く論理 1 「法令違反」の意味 2 「法的観点指摘義務の不履行」がダイレクトに「法令違反」を導くとする考え方 3 「法…
第1 導入 第2 「固有必要的共同訴訟」と「通常共同訴訟」の違い 第3 「固有必要的共同訴訟と通常共同訴訟の区別」の作業の意味 第4 固有必要的共同訴訟と通常共同訴訟の区別の基準 第5 まとめ 第1 導入 今回は、「固有必要的共同訴訟と通常共同訴訟の…
第1 導入 第2 確認の訴え、形成の訴えの当事者適格者 1 確認の訴え (1) 原告適格 (2) 被告適格 2 形成の訴え 第3 給付の訴えの当事者適格者 (1) 判例の見解 (2) 当事者適格の訴訟要件上の位置づけ 第4 まとめ 第1 導入 今回は、「当事者適格の有無の…
第1 導入 第2 「既判力の作用場面」とは 第3 「既判力の作用場面」を考える際の方向性 第4 まとめ 第1 導入 今回は「既判力の『作用場面』」の正体について説明しようと思います。 第15回(前回)の記事の中で、「多くの受験生が『既判力の作用場面』…
第1 導入 第2 前提事項の確認 第3 口頭弁論終結後の承継人への既判力拡張の意味 1 問題提起 2 「2段階」に渡る既判力の拡張 (1) 元の既判力 (2) 第1段目の拡張 (2) 第2段目の拡張 3 「2段目」の拡張まで認めるべきか (1) 「形式説」と「実質説」の…
第1 導入 第2 「事件の同一性」とは(確認) 第3 「審判対象が同一」とは 1 導入 2 「訴訟物」の捉え方 (1) 「審判対象の同一性」の2つの考え方 (2) 「訴訟物」を「権利関係の主張」だと捉える考え方(パターン1) (3) 「訴訟物」を「権利関係」だと…
目次 第1 導入 第2 「補助参加の利益」が認められるための要件 第3 「他人間の」 第4 「利害関係を有する」 1 「利害関係を有する」とは 2 「法律上の利害関係を有する」とは 3 「参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼす」と…
第1 導入 第2 参加承継の「訴訟状態帰属効」 第3 権利主張参加の可否 第4 詐害防止参加の可否 第5 片面的独立当事者と参加承継の関係 第6 まとめ 第1 導入 前回、前々回の訴訟承継の問題に関して、以下のような質問をいただきました。 要約しますと、…
第1 導入 第2 設問前段 第3 設問後段 1 「参加承継」の参加手続上の規律 2 「参加承継」と「独立当事者参加」の使い分け 3 「引受承継」と「参加承継」の手続的相違点 第4 まとめ 第1 導入 今回も前回に引き続き、「訴訟承継」をテーマに解説をしよ…
第1 導入 第2 基本事項の確認 第3 論点①~「訴訟状態の引き継ぎ」の意味 1 A説(否定説) 2 B説(肯定説) 3 否定説、肯定説、どちらが妥当か 4 期待可能性説への言及(おまけ) 第1 導入 多数当事者訴訟については受験生の多くが苦手意識を持ってい…
第1 導入 第2 通説の論証 第3 採用すべき学説 1 大判大5.12.23 2 最判昭33.7.8 3 学説の展開 4 どの学説を採るべきか 5 通説に立った場合の問題点と解決策 第4 青山説と判例との整合性 第5 まとめ 第1 導入 第9回で、「主要事実」の意義について…
第1 導入 第2 「主要事実」とは何か 第3 まとめ 第1 導入 今回は、裁判上の自白の成否、当事者の主張しない事実の認定の可否、といった場面でお馴染の「弁論主義」の話をします。 個人的には、「第1テーゼ」、「第2テーゼ」、「第3テーゼ」という中二…
第1 導入 皆さんは、「権利保護の資格」「権利保護の利益」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 僕が受験生時代に勉強していたとき、将来給付の訴えの論点(よくある「空港騒音の損害賠償請求」のやつ)の論証で以下のようなものを目にしました。 「…
第1 導入 第2 「反射効」とは 1 定義 2 反射効肯定説の理由 3 なぜ、この結論に「キモさ」を感じるのか 第3 「反射効」を肯定するべきか 1 「反射効」の肯否 2 論証の手順 第4 まとめ 第1 導入 ときどき、「反射効の肯否」といったざっくりとした…
第1回のブログを読んでくれた友人が、「既判力の瑕疵治癒力」の問題と「無効な判決」の問題の関係性について質問をしてくれたので、その点について補足しようと思います。 以前、第1回のブログで、既判力には二つの機能が存在することをお話しました。 す…
第1 導入 第2 「訴訟共同の必要」と「合一確定の必要」とは 1 「訴訟共同の必要」 2 「合一確定の必要」 (1) 「裁判資料の統一」 (2) 「手続進行の統一」 (3) 「合一確定の必要」が要請される訴訟形態 第3 「訴訟共同の必要」と「合一確定の必要」の関…
第1 導入 第2 後遺症による損害賠償請求の可否 1 学説の紹介 2 各学説の解説 (1) ②訴訟物が異なるという構成 (2) ③既判力の時的限界で処理する見解 (3) ④主張の期待可能性に着目して処理する構成 3 後遺症による損害賠償請求の可否の論証 第3 将来の損…
第1 導入 第2 「当事者能力」と「当事者適格」 第3 判例の考え方 1 最判昭47.6.2 2 最判平6.5.31 第4 権利能力なき社団に当事者適格を認める構成 1 訴訟担当構成 2 固有適格構成 3 訴訟担当構成と固有適格構成のいずれを採用するべきか 第5 まとめ…
第1 導入 第2 「当事者が誰なのか」が問題となる場面 第3 「当事者の特定」と「当事者の確定」 第4 まとめ 第1 導入 第2回は「当事者の確定」について見ていきたいと思います。 ご存知の通り、「当事者の確定」の論点は、民事訴訟法の教科書の初っ端の…
第1 導入 第2 問題提起 第3 論証の内容 第4 まとめ 第5 おわりに 第1 導入 記念すべき初投稿は『請求の放棄・認諾の既判力』というテーマで書いてみます。 以前、某予備校の予備試験の答案を添削していたところ出会ったテーマであって、受験生の大好き…
はじめまして。 2016年度の司法試験に合格し、某地方都市において実務修習に勤しんでいる司法修習生です。幸いにも、司法試験には1回目で合格することができました。 このブログでは、民事訴訟法の論点解説を中心に書いていこうと思っているのですが、まず…